古峰ヶ原街道とダムに沈む県道177号①

年が明けてますます暖冬に拍車がかかり、雪の気配もないので山へ走りに行くことにした。とは言え、真冬の2月。ばっちり冬型の気圧配置だったため北風が強くなる場所ばかりで行き先に少し悩んだが、栃木の鹿沼エリアに行くことにした。西に足尾、北に日光という険しい山があるためかここだけは北風が弱い予報だった。

何度も走っている古峰ヶ原街道を一の鳥居まで走って、そこから林道河原小屋三の宿線に入り、大滝まで行くことだけ決め、車でデポ地の道の駅にしかたに向かった。

古峰ヶ原街道は大芦川に沿って足尾まで抜ける道で、途中に古峯神社という天狗で有名な神社があり、栃木のガチライダーにはメジャーな練習コースとなっている。その神社の5kmほど下にある一の鳥居までは緩い坂道で、ガチライダーでなくても楽しめるコースだ。

このエリアが好きな理由の一つに大芦川がある。

この川は思川の支流のひとつで最終的には利根川に注いで太平洋まで流れていくのだが、広大な関東平野であれやこれやと養分を蓄えて泥濁した利根川からは想像ができない純度100%の清流だ。そのすぐ脇に整備されて非常に走り易い道が延々と続いており、それが古峰ヶ原街道という訳だ。

夏の大芦川

道の駅にしかたに車を停めて目的地の山方向を眺めると、厚めの雲がかかっていてかなりの寒さが予想された。ただ、今年初の山行。雪さえ積もっていなければ行けるところまで行こう。幸い予報通り風は弱く、頭上は晴天で大芦川はいつも通り透き通っていた。それにしてもこの川の透明度はなんだ。

一の鳥居に着く頃には遠くから見ていた通り雲が空を覆っていた。山の向こうの日光側から風に運ばれて小雪も舞っている。ここで道は一の鳥居をくぐって足尾に向かう古峰ヶ原街道と、東大芦川に沿って日光に出る林道河原小屋三の宿線に分かれる。

この林道を走るのは2度目だった。昨年の台風の影響で大滝から先が通行止めとなっているこの林道も、その時は全線開通していた。途中、獣のフンらしきものを路上で発見した直後に落石を踏んで盛大にバーストさせ、タイヤに亀裂が入った状態でなんとかデポ地まで帰ってきたのは今でもトラウマだ。ここから先はトラウマ克服の旅でもあった。ただ、今回はパッチを持ってきている。熊ももう冬眠しているだろう。

林道は相変わらず、というか前回より遥かに状態が酷かった。枯れ枝や落石が至る所に転がり、いつパンクしてもおかしくない道になっていた。確か大滝までは7km程度だったが、無事にたどり着けるかも心配になるほどだった。空はどんより曇り、雪も相変わらず舞っていた。

それでも、東大芦川の清流はここに来た意味を思い出させてくれた。大芦川からさらに純度を増してH2Oそのものが流れているように見える。不純物や有機物など一切含まず、生き物は生息できないのではないかと思わせる色だ。

大滝に着くまでに途中数台の車とすれ違ったが、ここに人気はなく、ただ滝の落ちる音だけが響いている。雪が舞う背後の山からはいつ獣が駆け下りてきても不思議でない雰囲気があり、危険を感じるスポットだ。それは前回と変わらない。早々に降ることにした。

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