幸いパンクもバーストもせず一の鳥居まで下ってくることが出来たが、ネックウォーマーするのを面倒くさがったせいで顔が凍り付くようだった。あまりの寒さに自販機でホットレモンを買い、一息ついているところにオートバイ乗りの方が下から登ってきたのでこれから神社ですかと声を掛けた。
「いえ、ここで引き返します。スタッドレス履いてないんで」
そう言って鳥居が入るポジションに愛車を置いて写真を撮り、そそくさと引き返していった。ものの数分だった。自転車と違いこの程度ならまたすぐ来ることが出来るのだろう。
確かにこの一の鳥居の先に見える神社方面の山を見上げるとここよりも薄暗く、もしかすると凍結してるのかもしれないと感じさせた。まだ時間は11:30だった。このまま引き返すにはあまりにも呆気ない時間と内容だった。
ここから先はこれまでの緩斜と違い、本格的な登りになる。それこそプロチームも使うトレーニングコースで、キツさを知っているだけに少し躊躇われたが、登る以外にコースは思いつかなかった。で、凍結していたらそこでお仕舞いと割り切って登ることにした。
結局、路肩に残雪があったものの路面に凍結箇所はなく、30分ほどで神社に着いた。実際は33分。いつもは時間など気にかけず休み休み登るのだが、友人のOちゃんが30分くらいで登ったと話していたのを思い出し、たまには本気で登ったらどんなものだろうと試しに測ってみた。まぁこんなものだろう。ちなみに息があがって3回休んだ。見上げるといつのまにか晴れ間が広がっていた。



古峯神社には足尾の粕尾峠方面からも含めて3度目になる。せっかくなので上がらせていただき、中の待合所でお茶を頂いて暖まりながら、帰路はどうしようかとひとしきり考えた。
来た道をピストンするのもあれだな。かと言って前日光線をさらに登るのはハードだし、粕尾峠方面は冬季通行止めだ。そこで思いついたのが以前Oちゃんと走った県道177号を逆方向から走るのはどうだろうか、というルートだった。
栃木県道177号。それを知ったのは地元が一緒のナガさんのブログでだった。長年に渡ってダム建設に揺れた地域を貫く県道で、集落が移転したあとも長らく工事が進まなかったからなのか道路の周囲はメンテナンスされることなく荒れ果て、狭い山間に取り残された不思議な空間を走る県道だ。
そう思いつくと、古峯神社のホテルのようなトイレで身支度をし、今度はネックウォーマーを忘れず一気に下った。

